
アウターは、素材そのものが見た目を大きく左右する。
ウールはしっかりしていて角を拾いやすい。中綿は温かいけれど横に膨らみやすい。
ポリエステルは軽くて縦に落ちるので細く見えやすい。
いろいろな素材を試して着ていると、同じ形でも別物のように見えることがわかる。
特に僕ら男の体には、硬さ・厚み の違いがそのまま肩幅や胸の見え方に直結する。
素材を変えるだけで、上半身のボリュームが増えたり、逆に一気に細く見えたりする。
ということで、ウール・中綿・ポリエステルの3つの素材だけでどれだけ印象が変わるのかを整理していく。
素材を意識すると、アウター選びで迷う時間が減るし、細く見せたい日にどれを選べばいいかも判断しやすくなる。
素材が変わると『体型の見え方』が変わる

同じ形のコートでも、素材が変わるだけで肩幅や胸まわりの見え方が変わる。
僕ら女装男子の体は角がはっきりしているので、素材の硬さ・厚み・軽さがそのままシルエットに影響しやすい。
硬い素材は肩幅を強く見せやすい
ウールみたいに厚くて硬い布は、肩や胸の形をそのまま拾う。
角がくっきり出るので、上半身が大きく見えやすい。
肩幅の横の広さがそのまま出てしまう。
柔らかく軽い素材は縦に落ちて細く見える
ポリエステルのような軽くて柔らかい布は、肩に沿わず下へ落ちる。
肩の角がぼけて、胸板の厚みも弱まって、全体が縦に細く見える。
なぜ柔らかい素材の方が肩の角を拾わないのか
「柔らかい布のほうが角に沿って形を拾いそう」に思えるかもしれない。
でも実際は、柔らかい布のほうが 角を包む前に下へ落ちる。
肩の角に布が引っかかる前に、布そのものが流れ落ちるからだ。
逆にウールのような硬い素材は、布が自分の形を支える。
そのせいで肩の角に乗ってしまい、形をそのまま強調してしまう。
ざっくりまとめると、
・柔らかい素材:角に引っかからず落ちる → 肩が小さく見える
・硬い素材:角に乗って張る → 肩が大きく見える
素材による体型の見え方の差は、形よりも影響が大きいことも多い。
ウールコートの見え方(しっかり・固め・重心が上)

ウールは秋冬の定番だけど、素材がしっかりしているので、肩や胸の形が出やすい。
生地の厚みと硬さがそのまま角を拾うので、上半身の強さが目立ちやすい。
肩や胸の形を拾う
ウールの厚さと硬さは、肩の角に乗りやすい。
そのせいで、肩幅がひと回り大きく見えたり、胸板の厚みがそのまま前に出る。
体のラインよりも、コートそのものの形が強く出てしまい、上半身が大きく見える。
黒やネイビーのウールだと、さらに角がはっきりしてしまう。
光沢が弱く重たく見えやすい
ウールは光沢が少ないので、生地の表面が光を吸うので、全体が『ひとつの塊』として見え、重心が上に寄って見える。
丈が短いウールコートほど、上半身が大きく見える傾向が強い。

ウールは厚さと硬さで肩の角がそのまま出て、上半身が大きく見えやすい。
ウールのしっかり感がどう影響するか理解したら、形の違いも知っておくと整理しやすい。
詳しくはこちら。
→ 女装に合うコートの選び方
中綿アウターの見え方(膨らむ・横に広がる・丸く強い)

ダウンジャケットなど、中綿は温かくて軽いが、男の体では『横のふくらみ』として出やすい素材だ。
肩まわりと胸まわりに空気が入るので、上半身がひと回り大きく見えてしまう。
肩幅が大きく見える
中綿は布の中に空気をふくませて膨らませている。
その膨らみが 横に広がる力 を持っていて、肩幅が実際よりも広く見える。
丸さは出るけれど、同時に横の大きさも強調される。
特にショート丈は、肩が大きく見えやすく、上半身の存在感が出やすい。
軽いのに太く見えやすい
中綿は重くないのに、厚みだけがしっかりある。
そのせいで、体の線を拾わずに 全体が一回り大きいシルエット になる。
太って見えると感じることがあるのはこのためだ。
丈を長めにすると縦の流れが戻って、横のボリュームが和らぎやすい。

中綿のふくらみが横に広がり、肩幅と上半身がひと回り大きく見えている。
中綿のふくらみは丈選びで調整しやすい。
縦の錯覚についてはこの記事で詳しく説明している。
→ 女装アウターの丈選び
ポリエステル(薄手アウター)の見え方(軽い・縦に落ちる・扱いやすい)

ポリエステルの薄手アウターは、素材が軽くて柔らかいので、肩幅や胸まわりをごまかすのに向いている。
布が横に張らず、下に落ちる素材だからだ。
肩の角が自然にぼける
軽い布は肩に乗っても形を支えず、そのまま下に流れる。
そのおかげで、肩の角が目立たず、肩幅が実際より小さく見えやすい。
胸板の厚みも前に出にくく、全体が縦に細く整う。
ウールや中綿と比べると、肩の強さがなくなりやすい。
光沢が『抜け感』を作って重たく見えない
ポリエステルの軽い光沢は、暗い色でも重たく見えない。
黒を着ても『塊』にならず、縦のラインがそのまま出てくる。
軽さと光の反射のバランスで、秋冬でも自然な印象を作りやすい。

薄手のポリエステルは布が下に落ちて、肩の角がぼけて細く見えやすい。
軽い素材は開閉で印象が大きく変わりやすい。
この開閉バランスの記事が参考になる。
→ アウターは開ける?閉める?
素材の比較
同じ人・同じ構図でも、素材だけでここまで見え方が変わる。
ウール・中綿・ポリエステルは、体型の出方がまったく違う。
ウール=しっかり固い
ウールコートの写真のように、肩の角がそのまま出て上半身が大きく見える。
中綿=丸く横に広がる
中綿のジャケット写真のとおり、膨らみが横方向に広がり、肩幅が大きく見えやすい。
ポリエステル=軽く縦に落ちる
ポリエステルのコートの写真のように、ポリエステルは布が下に落ちて肩の角が消え、全体が細く見える。
まとめ|素材だけでシルエットは変わる
ウール・中綿・ポリエステルの3つは、形が同じでもまったく違う印象になる。
硬いウールは肩の角を拾って上半身が大きく見える。
中綿は膨らみが横に広がって、肩幅まで一緒に大きく見える。
ポリエステルは軽くて下に落ちるので、肩の角が消えて細く見えやすい。
細く見せたい日や、肩幅を抑えたい日は、形より先に素材を選ぶほうが失敗しにくい。
シルエットは『何を着るか』だけではなく、『どんな素材でできているか』でも変わる。
素材の違いを知っておくだけで、アウター選びのストレスがかなり減る。
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