
男の肌をそのままメイクの土台にすると、違和感が出やすい。
毛穴が目立ったり、青ヒゲが浮いたり、赤みやテカりが強く出たりする。
女子向けの手順だけを真似ても仕上がりが安定しない。
僕ら女装男子の肌は、女子の肌とは条件が違う。
だから方法と順番を少し変えたほうが上手くいく。
次に重ねる色や影が普通に有効になるように、肌の状態を整えるのがベースメイクだ。
この準備が整うだけで、アイメイクもリップも扱いやすくなる。
ということで、毛穴、青ヒゲ、赤み、テカり。
男肌で起こりやすい乱れを一つずつ処理しながら、外でも崩れにくい土台の作り方をまとめる。
男の肌は下準備を無視すると崩れる
メイクの前に、男肌が抱えている条件を一度フラットに寄せておく必要がある。
毛穴や青ヒゲ、赤み、乾燥とテカりが同時に出やすいのが僕ら男の素肌だ。
この状態のまま色を重ねると、どれだけ上手く塗ってもムラが出たり、時間が経つと不自然な浮き方をする。
ここからは、肌をメイクが乗りやすい状態に寄せていくための下準備をまとめる。
洗顔と保湿で肌の状態を整える
乾き切った肌や、脂っぽい肌のままファンデ―ションを乗せると、表面の密着が安定しない。
洗って、水分を入れて、余分な油分だけ軽く落とす。
この段階を済ませると、ファンデ―ションの乗り方が明らかに変わる。
ひげ剃り直後の刺激を落ち着かせる
ひげ剃りのあと、肌が赤くなったり、毛穴が開いたままになっていることがある。
この状態で色補正を重ねるとムラになりやすい。
刺激を抑えるローションやジェルで、一度表面を落ち着かせておくと、その後の補正が均一になる。
青ヒゲと赤みを先に処理すると仕上がりが安定する
男肌でいちばん目立つのが、青ヒゲの影と頬まわりの赤みだ。
どちらも放置したままファンデを乗せると、厚塗りに見えたり、時間が経つと影だけが浮いてくる。
ここからは、色ムラを先に処理し、青ヒゲをそのあとで押さえるという、単純だけど効果が大きい工程に入る。
赤みは緑だけに頼らず、肌の色に合わせて選ぶ
頬や小鼻、口元に出る赤みは、下地で軽く抑えるだけでも顔の印象が落ち着く。
メイクの世界だと、赤みを隠す時に緑の下地を使うのが定番とされている。
理由は単純で、色の仕組みとして緑が赤を打ち消す働きを持つからだ。
ただ、男の肌は黄みが強いことも多いので、緑を乗せた瞬間に肌色がくすんで見えることもある。
黄み寄りの下地や、赤みを少しだけ抑える程度の補正色のほうが自然に馴染む場合が多い。
赤みの強さと広がりを見て、無理に一色に決めつけず選ぶほうが安定する。
青ヒゲは芯の部分にオレンジをしっかり入れる
青ヒゲを隠す時、広げ過ぎると顔全体が暗く見える。
なのでまず、ヒゲの影が特に濃く見える場所だけを選んで、そこへオレンジをしっかり入れる。
僕は一般的な薄塗りでは足りないので、影の中心に少し強めに入れて、境界だけ指で軽く溶かしている。
こうすると青みの沈んだ色が緩んで血色が戻り、顔全体が明るい印象になる。
広い範囲を無理に塗る必要はなく、濃い部分を的確に押さえるだけで十分だ。
リキッドファンデ―ションで表面を均一にする
色補正を済ませたら、肌の表面をそろえる工程に入る。
男の肌は毛穴の影や色ムラが残りやすいので、ここで使う道具の選び方で仕上がりが大きく変わる。
カバー力と密着のしやすさを考えると、男肌を整える時に強い味方になってくれるのはリキッドタイプのファンデーションだ。
厚塗りに見えるような重さは出ないので、自然な仕上がりで土台が安定する。
スポンジで叩き込むとムラが出にくい
指で伸ばすと、線状の跡が残ったり、毛穴の影がそのまま透けることがある。
スポンジで軽く叩き込むように乗せると、表面が均一になり、毛穴の影も薄く見える。
圧をかけずに、広い面から順に埋めるように使うと密着が早い。
フェイスラインだけ量を半分にする
フェイスラインに塗り過ぎると、首との色差がはっきり出る。
Tゾーンと頬でしっかり密度を作り、フェイスラインはスポンジに残った量だけ軽く動かす程度で十分だ。
こうして外側へ薄く逃がすと、輪郭の不自然な重さが消えて見え方が落ち着く。
崩れを防ぐ下処理で長く持つ仕上がりになる
メイク直後の男肌は、油分が多かったり水分が抜けていたりして安定していないことが多い。
この状態で外へ出ると、テカりや毛穴落ちが早く始まり、青ヒゲの影も浮きやすくなる。
少しの工夫で、仕上がりの持ち方が大きく変わる。
ティッシュで表面の油分を軽く取る
リキッドを乗せた直後は、肌の表面に油分が残りやすい。
この油分が多いままだと密着が進まず、崩れが早くなる。
ティッシュ一枚を軽く当て、余分な油だけを抜くと、その後の持ちが安定する。
押し付けず、触れる程度の圧で十分だ。
仕上げパウダーはブラシで薄く重ねる
パフで押さえると粉が厚くつき、男の骨格では重さが出やすい。
ブラシで表面を軽く撫でるように乗せると、テカりが抑えられ、肌の表面が落ち着く。
必要なのは厚みではなく、表面が整って見える薄さだ。
まとめ
男の肌は、毛穴の影や青ヒゲの色、赤み、乾燥とテカりが同時に出やすい構造になっている。
だからこそ、順番を決めて一つずつ処理していくだけで、仕上がりは大きく変わる。
洗顔と保湿で肌の状態を整え、ひげ剃り後の刺激を落ち着かせる。
赤みを軽く抑え、青ヒゲの影が強い場所にだけオレンジを入れる。
そのうえでリキッドを均一に寄せ、フェイスラインの重さを調整する。
最後に油分を軽く抜き、薄いパウダーで表面を落ち着かせる。
特別な技ではなく、必要な工程を重ねただけの作業だ。
この土台が安定すると、アイメイクもリップも乗り方が変わり、全体の雰囲気が自然にまとまっていく。
外見の印象を大きく変えるような強い装飾より、こうした地味な段階のほうが効果が出やすい。
これで、外に出ても破綻しにくいベースの形が作れる。
このあとに続くメイクは、この土台の上に積み重ねるだけで上手くいきやすくなる。