
リップで女子感をちょっと味わった人が、次に気になるのが「肌」。
せっかく唇が華やかになっても、肌に赤みやムラが残っているとどうしても「男の顔」に引き戻されてしまう。
そこで登場するのがファンデーションだ。
初心者の女装メイクでは、ファンデを塗るかどうかで印象がまるで別人になる。肌の色を整えるだけで、女子感がぐっと底上げされる。
とはいえ、ファンデの種類っていろいろあるし、下地って本当に必要なの?
どの色を選べばいいの?――初めてだと迷うのも当然。
この記事では、完全初心者でも迷わないファンデの選び方・塗り方を解説する。具体的なアイテムも紹介するから、ドラッグストアでそのまま手に取ってスタートできるはず。
そもそもファンデーションって何?
ファンデーションとは、一言でいえば肌の土台を整えるもの。
赤みや青ヒゲの影、毛穴のムラなどをカバーして「均一な肌色」にしてくれるのが役割だ。
リップだけ塗ったときに「なんか違和感あるな」と感じた人は多いと思う。実はその違和感の正体は、肌が男子のままだからだ。
ファンデを塗るだけで、その違和感が一気に解消される。
下地とファンデの違い
よく聞く「下地」と「ファンデーション」の違いを、まず整理しておく。
化粧下地(ベース)
肌を滑らかに整えて、ファンデのノリを良くするもの。色つき下地なら、赤みを抑えたり、血色を足したりできる。
→ 例えるなら、キャンバスをきれいにする作業。
ファンデーション
肌色を均一に見せるメインアイテム。カバー力の高さで「男子っぽい肌感」を消す。
→ こっちは絵の具で色を塗る作業に近い。
つまり、下地とファンデは「セット」で使うと最大限効果を発揮する。
ファンデーションの種類

初心者が迷いやすいポイントがここ。ファンデには大きく3種類ある。
リキッドファンデ
液状タイプ。カバー力が高く、初心者でもムラになりにくい。 → 女装初心者にはこれをおすすめ!
パウダーファンデ
粉タイプ。コンパクトで持ち歩きに便利。ただしカバー力は弱めで、青ヒゲが残る人には物足りないことも。
クッションファンデ
スポンジに液が含まれているタイプ。ポンポンと叩くだけで楽に塗れるが、カバー力は控えめ。
→ 簡単そうに見えて、後々「やっぱり隠しきれない」と感じやすい。
初心者には「楽だけど結局使わなくなる」クッションファンデよりも、最初からリキッドファンデで練習して慣れるのがおすすめしたい。
リキッドファンデは慣れてきても必ず使い続けることにないるからだ。
ファンデの色選びは『迷わない』が正解

ファンデーションで一番迷いやすいのが色。
店頭にずらっと並んだ色味を見て「どれを選べばいいの?」と立ちすくむ……これは初心者あるある。
でも、女装初心者に必要なのは『完璧な色合わせ』ではなく、女子っぽく見えるベースを手に入れること。なので、まずは迷わず「オークル」を選んでほしい。
なぜオークルがいいのか?
- 日本人の肌色のほとんどに合う万能カラー
- 少し白めに仕上がるので「化粧をした変化」を実感しやすい
- 色黒でも「ちょっと白いかな?」程度で、違和感にはならない
僕自身も色黒だけど、ずっとオークルを使っている。厳密に言えばやや浮いているんだけど、日常で「おかしい」と指摘されるレベルではないし、むしろ女子感が出る。
例外はあるけど…
- かなり色白の人 → ワントーン明るい「ライトオークル」もあり
- 極端に日焼けした人 → ちょっと暗めの「ナチュラルオークル」
でも、基本は「オークル一択」でOK。最初から色の世界に迷い込むと、道具を揃えるだけで疲れてしまう。
初めてのファンデはリキッド推し。伸びがよくムラになりにくいし、カバー力も十分。色はまず『オークル(標準色)』で問題なし。色黒でも最初は標準オークルで様子見、浮きを感じたら次回ひとつ濃い色に調整すればいい。
100均のスポンジでポンポン置いて薄く広げる→フェイスラインは外側にぼかす→鼻まわりはスポンジの余りで十分。最後にティッシュオフすると密着度が上がる。これだけで『素肌っぽいのに整ってる』顔になる。
下地の色もシンプルに
ファンデと同じく、下地の色も迷わないのが一番。
- ベージュ系下地 → 赤みを抑えて自然に見える。万能でおすすめ。
- ピンク系下地 → 少し血色感を足したい人向け。
この2択で十分。選択肢を広げるより「とりあえずこれで安心」を優先しよう。
テカリと毛穴だけ先に抑えておくと、その後の仕上がりが一気に安定する。最初の1本はベーシックに使えて失敗しにくい下地を。肌の血色をほんのり足してくれる『ピンクベージュ系』が使いやすい。
使い方は米粒1〜2個ぶんをTゾーン→頬の順に薄く。のせたら30秒〜1分おいて密着させてから次工程へ。迷ったらまずはこれだけでOK。ベースの安定感が段違いになる。
ファンデーションの塗り方ステップ

「どこからどう塗ればいいの?」──ここが初心者にとって一番のハードル。
だけど、流れを押さえれば簡単。
① 下地を仕込む
下地は『肌のコンディションを整える土台』。ここをサボるとファンデがムラになる。
- 指先にパール粒大を取る
- 額・両頬・鼻・あごに点置きする
- 指で外側に伸ばすように、軽く広げる
★ここで厚塗りは厳禁。あくまで「うすーく肌を整える」イメージ。
② ファンデを置く
リキッドファンデは『少量を薄く伸ばす』が鉄則。初心者がやりがちなのは「ドバッと出して全部に塗り広げる」こと。これは一発で厚塗り感が出る。
- スポンジ or 指の腹に小豆大を取る
- 頬(面積が広い部分)からスタート
- 額 → 鼻 → あごの順に少しずつ広げる
★特に頬は「一番人に見られる場所」だから最初に塗る。
③ スポンジでトントン
ここで100均スポンジの出番。リキッドを置いたら、ポンポンと叩き込むように広げる。
- 内側から外側に向かって軽くトントン
- 目の下、小鼻まわりは丁寧に
- 首との境目は忘れずぼかす
★スポンジを動かすときは「伸ばす」じゃなく「置く」。この違いだけで仕上
初心者がやりがちな失敗と対策

ファンデーションは「塗るだけで女子っぽくなる」と思いがちだけど、意外と落とし穴が多い。ここでは、女装初心者がついやってしまう典型的な失敗と、その回避法を紹介する。
① 厚塗りで“お面”状態になる
とにかく隠したい気持ちが先行して、ベタッと塗ってしまう。これだと「女子」ではなく「仮面」になる。
対策:
スポンジで叩き込むように薄く広げるのが基本。どうしても隠したい部分は、ファンデ全体ではなくコンシーラーを部分使いする方が自然。
★ 鏡を遠目にして確認すると「やりすぎ」かどうか分かりやすい。
② 色が合わずに首と顔の境目がくっきり
「白い方が女子っぽいだろう」と思って明るめを選ぶと、首との差で一発バレ。
逆に暗すぎても不健康に見える。
対策:
初心者は迷わずオークル系を選ぶ。肌にぴったりかは後で考えればいい。まずは自然に見える無難カラーから始めることが大切。
③ 下地をサボって崩れる
「ファンデだけでいいか」と思って下地を塗らないと、すぐにテカってヨレる。特に夏場や長時間の外出では大惨事に。
対策:
下地は『見えない縁の下の力持ち』。ベージュ系なら初心者でも違和感なく使える。ピンクを選べば血色感が出て、女子っぽさも増す。
④ 顔全体を同じ厚さで塗る
「とにかく全部塗ればいい」と思って顔全体に均一に塗ると、逆に立体感がなくなり、のっぺりした印象になる。
対策:
顔の中心(頬や鼻筋)はしっかりめ、外側は薄めに。グラデーションをつけるだけで小顔に見え、自然さがアップする。
⑤ 鏡を近距離だけで確認する
メイク初心者あるあるが「鏡を10cm距離でしか見ない」こと。
その場ではきれいに見えても、実際に人から見る距離だと違和感が出る。
対策:
必ず遠目から全体をチェック。自然光の下で見れば、外でどう見えるかも確認できる。
★このような失敗は「あるある」だから落ち込む必要はない。ポイントを押さえて修正すれば、初心者でもグッと自然に仕上げられる。
初心者でもできる仕上がりの工夫

『初めてのファンデ』はこれで終わり!
にしようかと思ったがリキッドファンデを、ただ塗っただけでは「なんとなく顔に乗せただけ」の仕上がりになりがち。
けれど、ほんの少しの工夫を加えるだけで、自然さや持ちの良さがグッと変わるため、ここで終わりではもったいない。
どうしても紹介したいので、もう少しだけ付き合ってほしい。
スポンジで仕上げをなじませる
手だけで塗ったあとに、100均で売っているようなスポンジで軽く叩き込むと、ムラが一気になくなる。特に小鼻の周りや目の下など、細かい部分はスポンジが大活躍。
→ 仕上がりが均一になるだけで「厚塗り感」が消えて、自然に見える。
フェイスラインはぼかすのが鉄則
顔と首の境目がくっきりすると、どうしても「塗ってます」感が出てしまう。
フェイスラインに残ったファンデをスポンジで首の方へ軽くぼかしておくだけで、自然に馴染む。
→ カフェの鏡に映った自分を見ても、「あ、浮いてない」と安心できる。
ティッシュオフで余分を抑える
塗った直後は肌に乗せすぎていることが多い。ティッシュを軽く顔全体に押し当てると、余分なファンデが取れて崩れにくくなる。
→ ほんのひと手間で、化粧もちが半日以上変わる。
仕上げのパウダーでさらっと自然に
リキッドファンデのままだと、時間が経つとテカリやベタつきが気になる。仕上げにパウダーをのせれば、肌がさらっとして快適に過ごせる。
- ルースパウダー:ふんわり軽く仕上げたいとき。
- プレストパウダー:コンパクトで持ち歩きやすく、外出先で直すのに便利。
初心者はプレストパウダーを1つ持っておくと安心だ。
メイク直しのとき、さっとひと塗りするだけで女子感をリセットできる。
★これらの工夫でファンデをまとめると、初心者でも「塗っただけ」の印象から一歩進んで、自然で崩れにくい仕上がりをつくれる。ファンデは難しそうに見えるけど、ほんの少しのコツで見違えるほど変わる。
まとめ
ファンデーションは、女装初心者にとって「難しそう」「ムラになりそう」というハードルが高いアイテムに見えるけれど、実際はちょっとした工夫で一気に自然さがアップする。大切なのは、次のポイント。
- 下地で土台を整える
- リキッドファンデを中心に、色はオークルを選ぶ
- スポンジでなじませて、境目をぼかす
- ティッシュオフで余分を取る
- 仕上げにパウダーでサラッと自然に
この流れを押さえるだけで、初心者でも「塗っただけ」から「整っている」にランクアップできる。
ファンデをのせたときの変化は、リップ以上に「女子感」を実感できる瞬間だ。
しかも、リップより難易度が高く達成感も得られる。
初めてでもきっとワクワクするはず。まだ鏡に映った自分を見て違和感があっても、工夫を少しずつ重ねれば自然さは必ず増していく。
僕自身、今でもファンデを塗った直後の「顔が完成していく感覚」がたまらなく好きだし、それがあるから女装を続けているとも言える。(上手くいかなくてイライラするときもあるが・・・)
最初の一歩を踏み出せば、リップやファンデの上にアイメイクやチークを重ねる楽しみがどんどん広がる。
ぜひこの記事を参考に、まずはファンデに挑戦して、自分の「女子感」を底上げしてみてほしい。