
眉メイクを始めようとすると、まずぶつかるのが「どれを使えばいいのか分からない」という壁だと思う。
ペンシル、パウダー、眉マスカラ。
名前は知っていても、どこにどう使うのか、何が得意なのかが分からないまま手に取ると、線が濃くなったり、逆に薄くなりすぎたりして悩むことになる。
僕ら男の眉毛は、太くて濃いが道具の選び方で印象が大きく変わる。
大事なのは、全部を完璧に使いこなすことではなく、それぞれの道具が『何をしてくれるものなのか』を知っておくことだ。
形を足すのはペンシル。
影を乗せて自然に見せるのはパウダー。
毛の色そのものを変えたいなら眉マスカラ。
役割が分かれば、眉を描くのが一気に楽になる。
ここでは、3つの道具の特徴と、男眉を自然に仕上げるための使い分けを順番に整理していく。
ペンシルで足りない部分を埋める
眉メイクの中で、まず手に取るのがペンシル。
鉛筆のように細い先端で 『毛が足りないところに一本分の代わりを描く』 ための道具だ。
線をガッツリ描くイメージがあるかもしれないけど、実際は影を点で置くように使う。
男の眉毛は太くて密度がしっかりしているので、ぽっかり空いている隙間が目立ちやすい。
ペンシルは、その隙間だけを埋めるのに向いている。
形を大きく変える必要はなくて、足りないところを少し足す意識で使うくらいがちょうどいい。
隙間を自然に埋めるのが得意
眉をいきなり全体で描こうとすると線が強く出てしまう。
ペンシルは、毛が少ない場所だけを点で埋めるように使うと自然に見える。
少しずつ置くことで、元の眉と描いた部分が違和感なく混ざる。
眉尻の形をそっと整えるときに向いている
眉尻は毛が細くなる場所なので、形がぼやけやすい。
ペンシルで少しだけ線を足すと、流れがきれいに見えて印象が落ちつく。
ここも描きすぎず、足りない部分をピッと補う程度で十分。
強い線にしないためのコツ
男の眉毛にペンシルを強く当てると、線が主張してしまう。
ペン先を軽く寝かせて、点を置くように動かすとやわらかく仕上がる。
『描く』というより 少し足すだけ の感覚でやると上手くいきやすい。
ペンシルは、硬さや色で描き心地がかなり変わる。
硬すぎると線が濃くなり、柔らかすぎると太く出やすい。
初心者は やや柔らかめのブラウン系 を選ぶと扱いやすい。
僕が最初に使って扱いやすかったのはこれ。
パウダーで影を作り自然に見せる
ペンシルで足した部分は、どうしても線が細く残りやすい。
そこにパウダーを軽く重ねると、線が肌になじんで、眉全体がやわらかく見える。
パウダーは、形をつくるためではなく仕上がりを自然に整えるための道具だ。
毛が太くて影が強い男の眉毛は、そのままだと全体が重く見えやすい。
パウダーを使うと、この重さが少し分散して、描いた部分と元の眉が混ざりやすくなる。
濃さの差をならしやすい
ペンシルの線だけが濃く見えてしまうと、眉が不自然に感じることがある。
パウダーは“薄い影”のように広がるので、濃い部分と薄い部分の差をやわらげるのが得意だ。
少しの量で十分なので、ブラシを軽くすべらせるくらいでちょうどいい。

パウダーで濃さが均一になった比較。線の強さがやわらぎ、全体が自然に整う
線を目立たなくして自然に見える
パウダーをのせると、ペンシルで描いた線がふわっと広がり、線の『くっきり感』が消え、描き足した部分が毛に紛れ、眉全体が落ち着いて見える。
線を隠すのではなく、線の存在感を弱くする という感覚で使うと良い。

パウダーで濃さが均一になった比較。線の強さがやわらぎ、全体が自然に整う。
眉頭の強さをやわらげる
眉頭は少しの色でも濃く見えやすい場所だ。
ここにパウダーを軽くのせると、ふんわりして自然な印象になる。
男眉の『眉頭の最初の一画』が強く見える人ほど、このひと手間が効く。

眉頭だけを軽くぼかした比較。始まりがやわらかくなり、表情が落ち着いて見える。
パウダーはガッツリ塗る必要はなく、ほんの少しで眉毛全体が変わる。
ペンシルだけでは出せない柔らかさを、ここで作れる。
眉マスカラは、毛の色を軽く変えるための道具
ペンシルやパウダーは肌の上に色を足す道具だが、眉マスカラは 毛そのものの色を変えるためのものだ。
黒くて太い男眉は、メイクで描き足しても毛の黒さが勝つ。
そのときに眉マスカラを使うと、強さがやわらぐ。
眉の形を作る道具ではなく、『毛の色だけを軽く調整する”』ための道具だという意識で使いたい。
地毛の黒さを少しだけ弱められる
ブラウンを描き足しても、男眉の黒さが強く見えることがある。
眉マスカラを薄くつけると、黒さが少し軽くなって、眉全体の雰囲気が落ち着く。
毛の色を一段やわらかくするだけでも、かなり自然な見え方になる。
ウィッグやメイクの雰囲気に合わせたい人に便利
ウィッグやアイメイクが軽い色合いの場合、眉だけが黒く残ると浮いて見える。
そんなときに眉マスカラを使うと、色の差が小さくなって全体がまとまりやすい。
あくまで色の微調整くらいのつもりで使うと失敗しない。
塗りすぎず薄くつけるのがコツ
べったり塗ると毛同士が固まったように見えてしまう。
軽く撫でるように動かすと、毛に自然に色が乗る。
細かい塗り方や失敗しやすい点については、別の記事で詳しく扱う。
3つの道具をどう組み合わせるか
眉メイクは、全部を毎回使う必要はない。
大事なのは、自分の眉がどんな状態かに合わせて、必要なものだけを組み合わせることだ。
男の眉毛は濃さや太さが強く出やすいので、少ない道具でシンプルにまとめたほうが自然に見える。
「ペンシル+パウダー」の2つが基本
初心者はこの組み合わせだけで十分きれいに仕上がる。
ペンシルで足りない部分を埋めて、パウダーで線をならすだけで、眉の印象がやわらぐ。
形と影がそろうので、男眉でもぐっと扱いやすくなる。
毛の黒さが強い人は、眉マスカラを少し足す
地毛の黒さが強いと、ペンシルやパウダーで色を乗せても黒が勝つことがある。
その場合だけ、眉マスカラを薄くつけると色の差が弱まりやすい。
べったり塗る必要はなく、表面に軽く色をのせるくらいで十分。
失敗しやすい組み合わせと避け方
道具を増やすほど、線が濃くなったり、眉の存在感が強くなったりしやすい。
とくにペンシルを描き込みすぎると、一気にいかつく見えてしまう。
ペンシルで少し足して、パウダーでならす。この流れを守れば、ほとんどの失敗は防げる。
まとめ
眉メイクで迷う理由のほとんどは、道具の役割がよく分からないまま使おうとするせいだと思う。
ペンシル、パウダー、眉マスカラ。
名前は似ていても、やってくれることはそれぞれまったく違う。
足りない部分をそっと補うのがペンシル。
線をやわらげたり影をつけたりして、自然に見せるのがパウダー。
毛の黒さが強い人が、軽く色を変えたいときに使うのが眉マスカラ。
全部を使いこなす必要はなく、まずはペンシルとパウダーの2つだけで十分。
男の眉はもともと濃さと太さがしっかりしているから、少し足して少しだけぼかす。
そのくらいでも印象はやわらぐし、強さが抜けて女子っぽくなる。
慣れてきたら、毛の黒さをもう少し軽くしたいときだけ眉マスカラを足せばいい。
道具の役割さえ分かっていれば、眉メイクは思っているよりシンプルだ。