
女装男子のアイシャドウは、色の選び方と塗る範囲が仕上がりを大きく左右する。
男のまぶたは腫れぼったく見えやすいので、最初はベージュや薄いブラウンを使い、広げすぎないことが自然に見せるコツだ。
アイシャドウと聞くと、派手な色をのせたり、複雑なグラデーションを作るイメージが浮かぶかもしれない。
でも、女装男子が最初に覚えるべきことはそこではない。
男のまぶたは色が広がりやすく、濃さが強く出やすいので、色よりどこにどれだけ乗せるかのほうが仕上がりを左右する。
ただ、完全に地味に抑え込む必要もない。
最初の一色を基準として決めておけば、そこから少しずつ色の幅を広げることもできるし、自分に似合う方向性も見つけやすい。
ということで、腫れぼったく見せずに使える塗り方と、最初に選ぶべき一色、そしてそこから軽く冒険できる色の選び方をまとめていく。
少しだけ色のニュアンスを足すくらいがちょうどいい
アイシャドウって、いかにも難しそうに思えるけど、実際はそこまで身構える必要はない。
まぶたにふわっと色が乗るだけで、表情がやわらかく見えたり、目の奥行きが少しだけ深く見えたりする。
僕ら男のまぶたは、色がすぐに反応しやすいから、逆に少ない量でも雰囲気が変わりやすい。
だから、広く塗ったり濃くしたりする必要はない。
最初は、まぶたにちょっと色味を添えるくらいで十分自然にまとまる。
それだけでも、女装らしい雰囲気がふわっと出る。

アイシャドウをのせるだけで、まぶたにほんのり立体感が生まれる。左は何もしていない状態、右は薄いブラウンを軽くのせた状態
男のまぶたは色が広がりやすい
アイシャドウをちょっとのせただけなのに「なんか濃く見える…」ってなるのは、腕前の問題ではなくて、まぶたのつくりの影響が大きい。
男のまぶたは、女子より皮膚に厚みがあって、色が横に広がりやすい。
少量でも広がって見える
同じ量をのせても、男のまぶたは影がふわっと横へ動きやすい。
だから、女子がやっている塗り方をそのまま真似すると、思っていたよりも『がっつり塗った風』に見えてしまう。
でも逆に言えば、ほんの少しだけでも十分に変化が出るということだ。
皮脂で輪郭がぼやけやすい
男の肌は皮脂が多いので、色の境目が曖昧になりやすい。
濃さを足しすぎると輪郭がにじんだように見えてしまうので、最初は『薄い色を狭い範囲に』が一番きれいにまとまる。
最初の一色は薄いブラウンを持っておくとラク
アイシャドウは色がたくさんあって迷いやすいが、最初のひとつは悩まなくていい。
薄いブラウンか、それに近いベージュ。
このどちらかをひとつ持っておけば、どれくらいの濃さで止めれば自然に見えるか、自分の目で判断しやすくなる。
色選びで迷うのは、基準がないからだ。
まずは『この色だと違和感が出ない』という土台を作っておくと、そこから少し冒険しても戻れる場所ができる。
強い色にいきなり手を出さなくても、この基準色だけでしっかり雰囲気は変わる。
色を変えてみるなら、この3つが試しやすい
基準のブラウンに慣れてきたら、ほんの少しだけ色を変えてみると、目元の雰囲気がガラッと変わる。
いきなり派手な色にいく必要はないし、ここから選べば『これならアリだな』と思える仕上がりになりやすい。
重たく見えにくく、男のまぶたでもすっと馴染む3つをピックアップしてみた。
くすみピンク
血色が少しだけ足されて、ふわっと柔らかい雰囲気になる。
明るすぎないタイプなら腫れぼったく見えにくくて、女子っぽさを少し足したい日に向いてる。

くすみピンクを薄くのせた目元。明るすぎず、ふわっと柔らかい印象が出るタイプ。
オレンジ〜コーラル
顔色が明るく見えやすい色。
ブラウンより雰囲気を変えたいときに使いやすくて、くすみが気になる日も軽く整う。

オレンジ〜コーラルを軽く添えた目元。顔色が明るく見えて、ブラウンより少し雰囲気を変えたいときに向いている
グレーブラウン
落ち着いた印象に寄せたいときに便利な色。
深さが出るのに重く見えにくくて、塗る場所さえ間違えなければほとんど失敗しない。

落ち着いたグレーブラウンで深さを出した目元。重く見えにくく、自然に立体感がつくタイプ
自然に見せたいなら『狭く・薄く・目尻寄り』
アイシャドウは広く塗ればいいわけではない。
むしろ男のまぶたは色が広がりやすいから、狭い範囲だけに軽く色をのせるほうが、整って見える。
どんな色を使うにしても、この3つだけ覚えておけば大崩れしない。
二重ラインあたりに薄くのせる
色はまぶたの中央ではなく、二重が入る位置あたりに軽く置くのがいちばん自然だ。
まぶた全体に広げると濃く見えるので、まずは『薄い帯をつくる』くらいのイメージで十分変化が出る。
目尻側に少しだけ深さを足す
全体を均一に塗るより、目尻側に少しだけ色を寄せるとバランスがとりやすい。
濃くする必要はなくて、ほんの少し影が入っているだけで目が締まって見える。
これだけでも女子らしい立体感が出る。
最初はやらないほうが自然に見えること
アイシャドウは工夫できる幅が広いが、最初のうちは手を入れすぎないほうが仕上がりがきれいに見える。
よく分からないうちから「工夫」をしようと、余計なステップを加えると濃くなってしまいやすい。
まぶた全体に色を広げなくてもいい
広く塗ると一気に重たく見える。
最初は『狭い範囲だけ』を意識するので十分で、むしろそのほうが自然に仕上がりやすい。
濃いブラウンをベタっと塗らなくていい
ブラウンは便利だけど、量を間違えると一気に疲れた印象に見える。
濃さより量で調整したほうが、男のまぶたではきれいに見えやすい。
下まぶたは触らなくていい
下まぶたに色を入れると、一気に難易度が上がる。
バランスが取りづらいので、最初のうちは上まぶただけで充分。
上まぶたのコツをつかんでから、必要なら少しずつ広げればいい。
ちなみに、僕は基本的に下まぶたには手を加えない。(ムズいから)
まとめ
アイシャドウは、まぶたに少しだけ色を添えるだけでも雰囲気はきれいに変わる。
男のまぶたは色が広がりやすいから、強く盛ろうとしなくても自然に立体感が出る。
最初は薄いブラウンを基準にして、塗る位置と範囲だけ意識すれば十分だ。
そこに慣れてきたら、ピンクやオレンジなど、軽く色を変えるだけでまた違う表情が楽しめる。
アイシャドウは一つ何かを覚えるたびに、自分の顔が少しずつ面白く見えてくる。
気負わず、「今日はこれくらい」の気分で色をのせてみるだけで、目元はちゃんと変わる。