女装の強い味方のウィッグだが、手入れは難しい。
嬉しいことに、こんな僕にも時折ツイッターのDMやブログの問い合わせから質問をいただくことがある。
その中で僕が答えられない質問のひとつが『ウィッグの洗い方』に関するものだ。
そこで、ウィッグの洗い方を紹介する!
と、言いたいところなのだが・・・
僕はウィッグを洗うことに成功したことがない。
ウィッグは洗うものではなく、消耗品と考えてた方が気が楽だ。
ウィッグの洗い方を知りたい人は申し訳ないが、参考にならないと思う。
僕が言いたいのは『ウィッグを洗うものではなく、消耗品』という単なる主張だ。
もし、洗うのを前提にウィッグを初めて買おうと思っている人がいたら、このブログ記事を読んでウィッグを買うかどうか考えてみてほしい。
目次
ウィッグの洗い方
前述の通り、ウィッグを洗って上手くいったことがない僕なので、ウィッグを洗うときの手順を紹介すると見せかけて、「ウィッグを洗うは大変」ということだけをお伝えする。
ぬるま湯に浸ける
ぬるま湯を張った洗面器にシャンプーを1プッシュ入れてかき混ぜる。
この時シャンプーを多く入れてしまうとススギが超大変になる。
10分ほど浸けてから軽く押しながら洗う。
この時にジャブジャブしてしまうと、鬼のように毛が絡まって後で苦労する。
シャンプーを落とす
シャンプーを濯(すす)いで落とすのだが、この作業が大変だ。
水を何度変えてもシャンプーが落ちない。
イライラしてジャブジャブしがちだが、それをやってしまうと毛が絡まる。」
何度も何度も辛抱強くやるしかない。
リンスは絶対にいらない
毛をサラサラにしたいのでリンスを!って考えは止めておいた方がよい。
いつまで経ってもリンスやトリートメントは落ちない。
またリンスのニオイも落ちないので気持ち悪くなること間違いない。
ウィッグ用のものなら良いのかもしれない。(僕は使ったことがないし、あるのかもしらない)
タオルで押して水分をとる
タオルでウィッグを挟んで圧力をかけて水分を取る。
ウィッグを乾かすのは大変なので、時間をかけて水分を取っておきたい。
地味な作業だが、汗だくになるし筋肉痛になる。
ここまで半日を費やす作業となる。
乾燥させる
ウィッグはドライヤーで乾かせない。
なので、陰干しで乾かすことになるのだが、室内干しでは乾かず生乾き臭くなる。
かといって、外に干すと人目が気になるし、天気や気温によっては1日で乾くとは限らない。
干す前にブラッシングをすると乾くのが多少早いが、濡れた毛をブラッシングすると、引っ掛かりが多く抜けやすいので注意しながらの作業が必要だ。
オイルスプレー
完全に乾いてから、ウィッグ用のスプレーでオイルをスプレーしてから、ブラシでとかす。
完全にブラシが通るまでには、少なくても1時間は必要だ。
それでも、洗う前の状態にはなかなか戻らない。
僕は出来得る限り、余計な出費と手間を省きたいのだが、もしウィッグを洗うとなるとオイルは省けない。
オイルを塗らなければ、ブラシが毛を通りづらくブラッシングに死ぬほど時間がかかる上に大量に毛が抜けることになる。
また、静電気にも悩まされまくる。
ウィッグを洗うのならばオイルは必ず必要と考えてほしい。
そもそも、洗わないようにするのが一番なのだが・・・
ウィッグスプレーは、絡まりが気になった時に使えるので洗わない場合でも、ひとつ持っておくと便利だ。
オイルはスプレータイプ(噴射するやつ)が、使用量の調整とか難しくなく使いやすい。
↓の写真のヤツが安くて都合いい。
(あまり他のウィッグオイルを試したことがないので、オススメという訳ではない)
ウィッグ用のシャンプーは必要か?
ネットを見ると、『普段使う普通のシャンプーで問題ない』という意見と、
『ウィッグ用のシャンプーを使わないとウィッグが傷む』という意見に分かれている。
僕の友人の中でも普通のシャンプーを使っている人とウィッグ用のシャンプーを使っている人がいて、それぞれネットと同じような意見だ。
どちらかと言うと、ウィッグ専用のシャンプーを使ったほうがよさそうなのだが、ウィッグ用のシャンプーは普通のシャンプーよりも高い上に、わざわざ準備するのは面倒くさい。
重ね重ねになるが僕の意見としては、どちらも傷むので洗わないに限る。
ウィッグを洗うと傷む
ウィッグを洗う頻度として次のような目安がある。
- 10日くらいの使用
- 汚れたとき
- 気になったら洗う
しかし、ウィッグを洗うということは、自身の髪の毛を洗うこととはぜんぜん違う。
想像以上に面倒くさい
シャンプーをつけてガシガシ洗えば綺麗になる自分の髪の毛と違い、擦ったりするとウィッグはすぐに傷む。
まずは、つけ置きをして優しくウィッグを梳かしながら洗う。
そして、濯いでもなかなかシャンプーが落ちない。
少しでも手荒にすると、すぐに傷む。
そして、なにより面倒臭いのは洗った後だ。
勝手に乾かない
上記のように、乾かすにはかなりの労力と時間が必要だ。
それではと、ドライヤーの温風で乾かすと人工毛の組織が崩れてグネグネになり悲惨なことになる。
かといって、冷風なら一時間経っても乾かない。
僕は扇風機に丸一日当てて乾かしたことがあるが、風で変な癖がついてしまい治らなくなった。
一度でも洗うと傷む
上記のように、洗うことも乾かすことも苦労する。
しかも、ウィッグ用のシャンプーを使って、陰干しで丁寧に乾かした場合でも確実に傷む。
何回も洗って傷むのなら仕方ないが、1回も洗っていないウィッグと1回洗ったウィッグを比べると全く別の物となる。
特にストレートのウィッグなら痛みが目立つので、洗うと一発でオジャンになる。
ここまで読んだ人は、僕の洗い方が悪いのだと思うかもしれない。
・・・確かにそれは否めない。
しかし、並の洗い方をすれば、このような悲惨なことになるのでウィッグを買う前に心に留めて置いてほしい。
ただし、上記は1万円以内で買える人工毛のウィッグの話で、人毛のウィッグであれば違った結果になるかもしれない。
(僕は人毛のウィッグを洗ったことがないので分からない)
ウィッグは消耗品の覚悟で買う
ウィッグを洗うのは苦労するが、それに見合ったリターンがない。
なので『洗う』という概念を捨てて使うと気が楽だ。
また買えば良い
毎日使う人は、頻繁に買い替えるのは経済的に難しいかもしれない。
しかし、月に数回使うだけなら消耗品と思って使った方が、無駄な労力を使わなくてすむし、綺麗な形のウィッグを使うことができる。
5,000円程度のウィッグであれば10回も使えば充分だし、
気分を替えるために数種類のウィッグを持っていれば、10回使うまでに1年かかる。(僕の場合)
たまに気分を替えたりするのであれば、どうせ10回も使う前に使わなくなるので『洗う』なんてことを考えないようになる。
消耗品といえど手入れは必要
消耗品だからといって適当に扱うと、すぐに駄目になってしまう。
なので、ある程度の手入れは必要だ。
ブラッシング
使う前と使った後はブラッシングをすることで長持ちする。
目の荒いブラシ(ラブホとかにある使い捨てのやつで充分)でブラッシングをする。
毛の根元からやると引っ掛かりが多くて抜けたり傷んだりするので、最初は毛先だけブラッシングをして毛先にブラシが通るようになれば徐々に上からブラッシングをするとよい。
使用時に、毛をを無理な縛り方をしたり、寝転んだ状態で暴れたりすると、それだけブラッシングに時間がかかる。
僕はブラッシングに10分以上はかかる。
乾かしてから片付ける
どんなにエアコンが効いていてもウィッグの中は蒸れる。
ウィッグを付けた状態で激しい運動(意味深)などをすると尚更だ。
ウィッグを外した後に時間を置いてから片付けるようにしないと汗くさくなる。
保存方法
できれば、ウィッグスタンドで保管する方が、湿気の予防にもなるしヘアスタイルの崩れも起きない。
とはいえ、そういう保存方法が出来ない状況であればウィッグケース(売っている時に入っているアレ)での保管で充分だ。
ただ、汗などの湿気がない状態にしてからケースに入れないと最悪カビが生えたりするかもしれない。
ちなみに僕は女装道具の保管スペースの関係でウィッグスタンドなど使ったことはない。ソフトケースで保管しているが、それによって形が悪くなったことはない。
部分的に汚れたら
「絶対にウィッグは洗いたくない」
とは言ってはいても汚れてしまえば洗わざるを得ない。
たとえば、精液がつく。
『たとえば』と言ったが僕にとって、ウィッグが明確に汚れたと感じた時はこのパターンだ。
この場合は、ティッシュやタオルでポイントを拭き取り、水で洗う他ない。(買ってから間もないウィッグなら)
このときのポイントは汚れた毛の束を洗うのではなく、毛を折り曲げて汚れたポイントだけ洗う。
毛先まで洗ってしまうと、たとえ少しの毛の束であっても乾くのに時間がかかる。
そもそも、お気に入りのウィッグに掛からないような対処が必要だ。
顔に発射される時は、役目を終える直前のウィッグを着用することや、口でしっかりと・・・(生々しいので省略)
『汗』も大敵だ。
しっかりとウィッグを外してから片付けるまで少しでも時間をおいて乾燥させたいし、直前に自分の髪の毛を綺麗に洗っておく事でもウィッグを洗わずに長持ちさせることができる。
ちなみぢ、ウィッグの裏(自分の頭に接触する布の部分)だけを洗おうなんて考えない方がよい。
毛を濡らさないように洗っても中途半端になるし、しっかり洗おうと思うと、どうしても毛まで濡れてしまう。
以上のような理由で、
ウィッグは大切に使って、洗わなければならない状況になると思い切って買い換えるのが一番だ。
ウィッグをどこで買うか迷っている人は↓の記事を参考にしていただければと思う。
[st_af id="1483"]
なお、今回の記事を書くにあたって、僕は久しぶりにウィッグを洗った。
ポチポチ写真をとりながら、洗い方を説明しつつ『丁寧に洗っても、これだけ傷みますよ』とやりたかったのだが・・・
アップする前に間違って写真を削除してしまったので、紹介できなくなった。
ただ、何気なくとった自撮りのみ残っていたので、意味もなく載せておく。
このあと乾かして丁寧にブラッシングをしたのだが、予定通り残念ながら毛の傷みが目立った。
人毛の高いウィッグを選べば、傷みは少ないのかもしれないが、洗うことは想像以上に手間がかかり面倒臭いので、買う時にはそれも考えて選ぶと良いのでは、と思う。
追記:シャンプーしなくてもメンテナンス次第で長持ち
長々と読んでいただいたが、『また買えばよい』って気持ちで消耗品として使うのはもったいない。
ほんの使用後に数分の簡単手抜きメンテナンスでウィッグは長持ちするし、次回良い状態で使える。
心を入れ替えて僕は↑の記事で紹介したように、ちょっとしたメンテナンスで長持ちするので、ウィッグを大切にする気持ちが芽生えたら、上記の記事も確認してもらいたい。