
チークを塗ったあと、鏡の前で手が止まる。
これ、濃い? それとも足りない?
直すべきか、このまま外に出ていいのか。
チークは、女装メイクの中でいちばん判断が難しい。
リップみたいに分かりやすく変わらないし、ベースみたいに正解が決まっているわけでもない。
だから、失敗したかどうか分からないまま不安になる。
ということで、セーフなのか、アウトなのか。
外に出ていいラインと、直したほうがいいラインを整理する。
チークは、失敗しても取り返しがつく。
判断できるようになれば、外に出るときにビビらなくてすむ。
チークの仕上がりは3つの状態に分かれる
チークは「成功か失敗か」で判断するものではない。
実際には状態が3つあって、そのうち失敗は1つだけだ。
まずは自分が今どこにいるのかを認識できると、何をすればよいのかわかる。
チークが分からない|ただ薄いだけ
塗ったつもりでも、血色が出ているか分からない状態。
これは失敗ではない。量が足りないだけだ。
近くで鏡で見るとチークはあるが、遠巻きに見たり写真を撮って見ると見えない。
慣れていない人には一番起きやすい。
ちょうどいい|成功している状態
自分では少し濃いかも?と感じるが、写真や他人目線では自然に見える状態。
チークとしてはここが完成形になる。
やりすぎ|ここだけが失敗
色が浮いて見える、丸く主張する、動くと目に入る。
この状態だけは調整したほうがいい。
逆に言えば、失敗はここに来た時だけだ。
「やりすぎたかも」と感じたときの判断と修正
ここから先は、「やりすぎ」に入ったかもしれない、と感じた人向けの話だ。
チークが薄いだけの状態や、ちょうどいい仕上がりなら、不安はすでに解消されているはずだ。
だが、『色が強い気がする』『目立ちすぎている気がする』そんな違和感があるなら、それもまだ失敗確定ではなく、修正が必要かどうかを判断する段階だ。
そのままで問題ない状態
- 少し濃いかも、と自分では感じる
- 室内や夜の外出が中心
- 一人での用事や短時間の外出
この状態は失敗ではない。
というか直す必要もない。
触らずにそのままでいたほうが、全体のバランスは保たれる。
少し整えれば十分な状態
- 境目が気になる
- 写真を撮る予定がある
- 人と軽く会う
ここで必要なのも「やり直し」ではない。
色の端をぼかす、広がりを抑える。
それだけで印象はかなり落ち着く。
修正したほうがいい状態
- 色が肌から浮いて見える
- 丸く主張して視線がそこに集まる
- 明るい光の下でチークだけが目立つ
この状態は、少し手を入れたほうがよい。
全部消す必要はなくて、量を減らしたり、なじませる。
修正すれば外に出られる。
迷ったときの最終判断
鏡ではなく、スマホで写真を一枚撮ろう!
鏡と写真で、チークの見え方が変わる理由
チークは、鏡で見た印象と写真で見た印象が食い違いやすい。
そのズレが、不安や「やりすぎたかも」という感覚を生んでしまう。
鏡では濃く見えやすい
鏡は距離が近い。
しかも自分の顔を集中して見るから、色の主張が強く感じやすい。
チークの境目やムラも、実際以上に目に入る。
光と補正が印象を変える
室内の照明やスマホの補正は、肌の赤みを自然にまとめる。
その結果、鏡で気になったチークが、写真では違和感なく見える。
判断は鏡だけでしない
鏡で不安になったら、スマホで一枚写真を撮る。
それで違和感がなければ、その感覚を信じていい。
チークは、鏡で完璧に見せるメイクではない。
少し離れた視点で完成するメイクだ。
鏡で見るなら、全身が映るくらい離れて、全体の雰囲気が分かる状態で見るといい。
この感覚に慣れると楽になる
何度かこのズレを経験すると、鏡で見たときの不安はかなり減る。
チークは、見え方を覚えと扱いやすくなる。
チークで一番多い勘違い
チークは、失敗しやすいというより、勘違いしやすいメイクだ。
ここを誤解したままだと、必要以上に不安が増える。
女子はもっと薄いと思っている
女子のチークは、ほとんど見えないと思い込んでしまいがちだ。
でもそれは、近距離で自分の顔だけを見ているから起きる錯覚だ。
実際には、少し離れるとチークは色ではなく血色として見える。
女子も近くで見ると、意外としっかりチークが入っている。
少しでも気になったら失敗だと思っている
チークは、少し気になるくらいが普通だ。
完全に気にならない状態を目指すと、
結果として薄すぎる。
『気になる= 失敗』
ではない。
判断が早すぎるだけのことがほとんどだ。
左右を完全に揃えようとする
左右の色や位置を完全に合わせようとすると、触る回数が増えて、逆に崩れやすくなる。
多少の左右差は、他人からはほとんど分からない。
自分だけが気にしている場合が多い。
チークだけで女子に寄せようとする
チークは仕上げだ。
ベースや眉が整っていない状態で、チークだけを強くすると浮きやすくなる。
チークは、顔全体ができたあとに、少し足すものだ。
勘違いが減ると判断が楽になる
チークは、正解を目指すメイクではない。
ズレを把握して調整するメイクだ。
それを意識すれば、チークで立ち止まることはかなり減る。
失敗した日の正解ルート
チークがうまくいかなかった日でも、そこで全部が止まるわけではない。
大事なのは、そのときのにどうするかだ。
直しすぎない
失敗したと感じる日は、触れば触るほど迷いが増えやすい。
少し整えたら、それ以上は追い込まない。
チークは、直しすぎないほうが結果が安定しやすい。
チークは経験値が溜まるメイク
チークは、決まった量を守るメイクではない。
何度か触るうちに、「このくらいなら大丈夫」という感覚が自然に身についてくる。
失敗は、判断を育てるための材料だ。
慣れてくると、鏡がなくても扱える数少ないメイクになる。